Week 02 — 長男 小5 / 数と計算

通分と約分

Common denominators and cancelling — one idea, used twice

分母がちがう分数は、そのままではたせません。 ピースの大きさがちがうからです。同じ大きさに切りなおしてからたす。その切りなおしが 通分、逆に大きく切りなおすのが 約分 です。
先週の「倍数と約数」は、このためにやりました。
Indonesia Fase C — KPK, FPB, pecahan senilai★要 倍数と約数(先週やったところ)
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先週、倍数と約数をやりました。あれは道具です。今週がその使い道です。

最小公倍数は通分に使い、最大公約数は約分に使います。それだけです。

01

基本の考え

The idea, before any procedure

1⁄4 + 1⁄6 は、いくつでしょうか。

よくある型

先に、いちばん多いまちがいを見ておきます

1⁄4 + 1⁄6 = 2⁄10

分子どうしをたして、分母どうしをたした答えです。これはちがいます。

たしかめてみましょう。1⁄4 は 1⁄6 より大きい数です。その2つをたしたのに、答えの 2⁄10=1⁄5 は 1⁄4 より 小さく なっています。ものをたしたのに減るはずがありません。

考え方 idea

なぜたせないのか

1本のテープを4つに切ったときの1こと、6つに切ったときの1こでは、ピースの大きさがちがいます。

大きさのちがうものは、そのまま数えられません。みかん3こ と りんご2こ をたして「5」と言えないのと同じです。

1/4 1/6 ちがう大きさに切ってあるので、たすことができない どちらも12こに切りなおすと、同じ大きさになる 3/12 2/12
1/4 と 1/6。上の2本はピースの大きさがちがうので、そのままではたせません。12こに切りなおすと、はじめて同じ大きさのピースになります。12 は 4 と 6 の最小公倍数です。
考え方 idea

同じ大きさに切りなおす = 通分

4つ切りも6つ切りも、12こ切りにすれば同じ大きさになります。

1⁄4 = 3⁄12  1⁄6 = 2⁄12

12 は 4 と 6 の 最小公倍数 です。どちらの分母でもわりきれる数のうち、いちばん小さいもの。

これが「先週なぜ最小公倍数をやったか」の答えです。

分母をそろえる = 分母の最小公倍数にそろえる分母に何をかけたか。分子にも同じ数をかける。それだけです
考え方 idea

逆に大きく切りなおす = 約分

18⁄24 を、もっと少ないピース数で書き直せます。

18 と 24 の 最大公約数 は 6。上も下も 6 でわると 3⁄4。

大きさは1ミリも変わっていません。書き方が短くなっただけです。
通分が「細かく切る」なら、約分は「まとめる」。同じ操作の向きちがいです。

約分 = 上と下を、最大公約数でわる1回で終わらせたいなら最大公約数。自信がなければ2でも3でも、何回わってもかまいません
02

やってみせる

Worked examples — read, do not solve
例

例1 ── 分母がちがうたし算

1⁄4 + 1⁄6

① 分母 4 と 6 の最小公倍数 → 4の倍数 4, 8, 12 / 6の倍数 6, 12 → 12
② 1⁄4 は 上下に3をかけて 3⁄12  1⁄6 は 上下に2をかけて 2⁄12
③ 3⁄12 + 2⁄12 = 5⁄12

分子だけたします。分母はたしません。「12こ切りが3つと2つで5つ」だからです。

例

例2 ── ひき算も同じ

5⁄6 − 1⁄4

① 6 と 4 の最小公倍数は 12
② 5⁄6 = 10⁄12  1⁄4 = 3⁄12
③ 10⁄12 − 3⁄12 = 7⁄12

例

例3 ── 約分

18⁄24 を約分する

① 18 の約数 1, 2, 3, 6, 9, 18 / 24 の約数 1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24
② 共通のうちいちばん大きいのは 6
③ 18 ÷ 6 = 3  24 ÷ 6 = 4 → 3⁄4

答えは、これ以上約分できない形(既約分数)にして書きます。

例

例4 ── たしてから約分する

1⁄6 + 1⁄3

① 最小公倍数は 6 → 1⁄6 + 2⁄6 = 3⁄6
② 3⁄6 は 3 でわれる → 1⁄2

たし算のあと、約分できないか必ず見る。 ここを忘れる人がいちばん多い。

03

たしかめ

Practice
問題

そろえて、たす

11⁄2 + 1⁄3 を計算しなさい。
こたえと考え方

2 と 3 の最小公倍数は 6。

1⁄2 = 3⁄6 1⁄3 = 2⁄6

3⁄6 + 2⁄6 = 5⁄6

2⁄5 ではありません。分母どうしをたしてはいけません。

23⁄4 + 1⁄6 を計算しなさい。
こたえと考え方

4 と 6 の最小公倍数は 12。

9⁄12 + 2⁄12 = 11⁄12

35⁄6 − 2⁄9 を計算しなさい。
こたえと考え方

6 と 9 の最小公倍数は 18。

15⁄18 − 4⁄18 = 11⁄18

424⁄36 を約分しなさい。
こたえと考え方

24 と 36 の最大公約数は 12。

24 ÷ 12 = 2 36 ÷ 12 = 3 → 2⁄3

2 で3回わっても同じ答えに着きます(12⁄18 → 6⁄9 → 2⁄3)。遠回りなだけで、まちがいではありません。

51⁄4 + 1⁄12 を計算し、約分できるなら約分しなさい。
こたえと考え方

4 と 12 の最小公倍数は 12(12 は 4 の倍数なので、12 のままでよい)。

3⁄12 + 1⁄12 = 4⁄12

4 と 12 は 4 でわれる → 1⁄3

62⁄3 と 5⁄8 では、どちらが大きいですか。

通分は、くらべるときにも使えます。

こたえと考え方

3 と 8 の最小公倍数は 24。

2⁄3 = 16⁄24  5⁄8 = 15⁄24

16 > 15 なので、2⁄3 のほうが大きい

通分は、たすためだけの道具ではありません。

71⁄2 + 1⁄3 = 2⁄5 という答えが、なぜまちがいなのか。計算のしかたではなく、意味で 説明しなさい。

数字を出す問題ではありません。文で答えます。

こたえと考え方

こたえの例:

「1⁄2 だけでも 2⁄5 より大きいのに、そこに 1⁄3 をたした答えが 2⁄5 になるのはおかしい。たしたのに減ってしまっている。
分母をたすというのは、ピースの数を勝手に増やすことで、1こ分の大きさを変えてしまうから正しくない。」

この説明ができることが、この単元でいちばん大事です。

8分母が 6 と 8 のとき、24 でも 48 でも通分できます。ふつう 24 を使うのはなぜですか。
こたえと考え方

どちらも正しい答えになります。ただし 48 を使うと数が大きくなり、最後に約分する手間が増えます。

最小公倍数を使うのは、あとで約分しなくてすむ確率がいちばん高いから です。決まりだからではありません。

04

まぜる

The same maths in other clothes

ここからは算数の服を脱がせます。中身は同じです。

IT ・ 情報

画面の解像度 ── 約分そのもの

パソコンの画面は よこ 1920 つぶ、たて 1080 つぶ でできています。この画面を「16 : 9」と呼びます。

1920 と 1080 の最大公約数は 120。

1920 ÷ 120 = 16  1080 ÷ 120 = 9

画面のかたちは1ミリも変わっていません。 書き方を短くしただけ。
18⁄24 を 3⁄4 にするのと、まったく同じ操作です。

画面の大きさ 1920 x 1080 よこ 1920 つぶ ・ たて 1080 つぶ たてもよこも同じ数でわる ÷ 120 かたちの比 16 : 9 かたちは変わっていない
1920 と 1080 の最大公約数は 120。たてもよこも 120 でわると 16 : 9 になります。画面のかたちは変わっていません。これが約分そのものです。
機械 ・ 歯車

歯車 ── 最小公倍数が目に見える

12枚の歯車と18枚の歯車がかみ合っています。両方の印が上を向いた状態から回します。

また両方の印が上を向くのは、何枚かみ合ったときでしょうか。

12 と 18 の最小公倍数 → 36枚

そのとき 小さいほうは 36 ÷ 12 = 3回、大きいほうは 36 ÷ 18 = 2回 まわっています。

12 × 18 = 216 ではありません。 かけると「両方が3回ずつ回るまで」を数えてしまいます。

小さい歯車 12枚 3回まわる 大きい歯車 18枚 2回まわる また同じ場所に 36 枚かみ合ったとき かみ合っている2つの歯車。印は上を向いています 12 × 18 = 216 ではありません。36 です
12枚の歯車と18枚の歯車。印がまた両方とも上を向くのは、36枚かみ合ったとき。小さいほうは3回、大きいほうは2回まわっています。36 は 12 と 18 の最小公倍数です。
暮らし

レシピを1.5倍にする

4人分のレシピに「さとう 1⁄4 カップ、しお 1⁄6 カップ」とあります。全部で何カップ入れることになりますか。

1⁄4 + 1⁄6 = 5⁄12 カップ。

計量カップに 5⁄12 の目盛りはありません。だから実際には「1⁄3 より少し多い」と読むことになります。分数は、答えを出すためだけでなく、量を見当づけるためにも使います。

05

本番の型

Exam-shaped — same shape, our own numbers

実際の試験問題そのものは載せていません。理由は下の枠に書いてあります。原典へのリンクから開いて、解いたあとに並べてください。

本番の型
全国学力・学習状況調査 小学校 算数 — 文部科学省・国立教育政策研究所が毎年4月に実施。小6全員。調査問題・正答例・解説資料が年度ごとに公開されています
原典:https://www.nier.go.jp/26chousa/26chousa.html※ 実際の問題文は載せていません。NIERは無断転載・複製を禁じています。上のリンクから原典を開いて、下の問題と並べて使ってください。

この問題が見ているもの:計算ができるかではなく、なぜその方法でよいのかを説明できるか。小学校算数の「活用」の問題は、毎年ここを見ています。

問みさきさんは 1⁄3 + 1⁄4 を計算して、答えを 2⁄7 と書きました。

⑴ この答えはまちがっています。計算しないで、まちがっていると分かる理由を1つ書きなさい。
⑵ 正しく計算しなさい。
⑶ みさきさんに、どこをどう直せばよいか説明する文を書きなさい。
こたえと考え方

⑴ 理由の例

「1⁄3 だけでも 2⁄7 より大きい。それに 1⁄4 をたしたのだから、答えが 2⁄7 になるはずがない。」

計算せずに「大きさの見当」で気づけることが問われています。

⑵ 3 と 4 の最小公倍数は 12。

4⁄12 + 3⁄12 = 7⁄12

⑶ 説明の例

「分母をたしてしまったのがまちがいです。分母は1こ分の大きさを表しているので、たすと大きさが変わってしまいます。先に分母を12にそろえて、分子だけをたします。」

本番の型
AKM / Asesmen Nasional(インドネシア) — Pusmendik による全国調査。numerasi(数的リテラシー)は文脈の中で考えさせる形式で、日本の学力調査の活用問題に近い
原典:https://pusmendik.kemdikbud.go.id/an/page/asesmen_kompetensi_minimum※ 実際の問題文は載せていません。公式ページに利用条件の記載が見当たらないためです。

この問題が見ているもの:インドネシアの numerasi の型。文脈の中に分数が置かれ、いらない情報がまぜてあります。 どの数を使うかを自分で決めるところが問題です。

問水そうに水を入れます。

・朝、水そうの 1⁄4 まで入っていました。
・昼に、水そう全体の 1⁄3 だけ足しました。
・水そうの高さは 60 cm です。

⑴ 昼のあと、水そうのどれだけまで入っていますか。分数で答えなさい。
⑵ 満水にするには、あとどれだけ足せばよいですか。
⑶ 水そうの高さ 60 cm は、この問題を解くのに必要でしたか。
こたえと考え方

⑴ 1⁄4 + 1⁄3。4 と 3 の最小公倍数は 12。

3⁄12 + 4⁄12 = 7⁄12

⑵ 満水は 1 = 12⁄12。

12⁄12 − 7⁄12 = 5⁄12

⑶ 必要ありませんでした。

⑴も⑵も分数のままで答えられます。60 cm は使わない情報です。

「書いてある数は全部使う」と思い込むと、必ずここで引っかかります。
AKM も PISA も、この形をわざと入れてきます。

(もし「何 cm か」と聞かれたら、7⁄12 × 60 = 35 cm、残りは 5⁄12 × 60 = 25 cm。そのときは必要な情報になります。)