Topic 01 — 数と量 / Quantity

1あたり

Per-unit quantity — the one idea behind price, speed, density and crowding

くらべられないものは、「1」にそろえてからくらべる。 単価も、速さも、密度も、こさも、人口密度も、やっていることは1つだけです。1あたりをつくって、そろえて、くらべる。
公式は5つ覚えるものではなく、1つの考えの5つの顔です。
Indonesia Fase C(kelas 5–6)rasio satuan統合 小5 4月 導入 → 9月 小数 → 12月 速さ★要 小5 7月 小数のわり算

この1年の算数は、ほとんどぜんぶこの話です。分数も、単価も、密度も、速さも、%も、縮尺も、坂の勾配も、「1あたりはいくつ?」を聞いているだけです。

だからこのページは、5つの公式を覚えるためのものではありません。1つの考えを、5つのちがう服を着せて、何度も見るためのものです。

01

基本の考え

The idea, before any procedure

「Aとどっちが安い?」「どっちがこんでる?」「どっちが速い?」
こういう質問には、いつも同じ困りごとがあります。そろっていない、という困りごとです。

考え方 idea

そろっていないものは、そのままではくらべられない

3こで240円のふくろと、5こで380円のふくろ。
240円と380円をくらべても意味がありません。こ数がちがうからです。
3こと5こをくらべても意味がありません。値段がちがうからです。

そこで、どちらも「1こ」にそろえます。
1こにそろえてしまえば、あとは値段を見るだけで決まります。

Aのふくろ 3 こ で 240 円 1 こ 80 円 Bのふくろ 5 こ で 380 円 1 こ 76 円 ? どちらが安いか。ふくろの値段では決められない
ふくろの値段だけでは決まらない。1こにそろえてはじめて、くらべられる形になる。

この「1にそろえる」を絵にすると、いつも同じ形になります。上の線に「いくつ分」、下の線に「ぜんぶでいくら」を書いて、1のところを見つける絵です。

こ数 ねだん 0 0円 1こ 80円 2こ 160円 3こ 240円 ← ここが「1あたり」
2本の数直線。上と下が同じ速さでのびていく。1のところの値が「1あたり」。この絵は単価でも速さでも密度でも、まったく同じ形で使えます。
1あたり × いくつ分 = ぜんぶわり算は、この式を「1あたり」について解いているだけです。ぜんぶ ÷ いくつ分 = 1あたり
考え方 idea

「あたり」の前にくるものが、そろえた単位

1こあたり80円 … そろえたのは「こ」
1分あたり60m … そろえたのは「分」
1cm³あたり7.9g … そろえたのは「cm³」
1km²あたり3人 … そろえたのは「km²」

「あたり」の前の言葉を見れば、何でわったか がいつでも分かります。
式を思い出せなくなったら、単位を見てください。単位が式を教えてくれます。

よくある型

「み・は・じ」は使いません

速さのところで、三角形に「み・は・じ」と書いて、指でかくして使う覚え方があります。
このページでは使いません。 理由は1つです。

この三角形は、意味が分かっていなくても答えが合ってしまいます。
答えが合うので、分かっていないことに誰も気づけません。気づけないまま中学に行くと、単位量あたり・密度・濃度・一次関数の変化の割合が、ぜんぶ別々の暗記になります。

上の1行(1あたり × いくつ分 = ぜんぶ)だけを使ってください。こちらは意味が分かっていないと使えません。それがこの式のいいところです。

み は じ これは使わない かわりに、これだけ 1あたり × いくつ分 = ぜんぶ わり算は「1あたりを出す」だけ
道具を1つ捨てて、1つだけ持つ。捨てるほうに名前をつけておかないと、困ったときに手がのびてしまう。
02

やってみせる

Worked examples — read these, do not solve them

ここは解かなくていい節です。読むだけ。3つとも、書き方をそろえてあります。単位を先に書く、というのがその書き方です。

例

例1 ── どちらのふくろが安いか

Aのふくろ:3こで240円  Bのふくろ:5こで380円

1こあたりにそろえる。

A 240 ÷ 3 = 80 → 1こ 80円
B 380 ÷ 5 = 76 → 1こ 76円

76 < 80 なので、Bのほうが安い。

ふくろの値段は B のほうが高い(380円 > 240円)のに、1こあたりでは B のほうが安い。これが「そろえないと分からない」ということです。

例

例2 ── 速さも、まったく同じ形

240 m を 4分で歩いた。速さは?

1分あたりにそろえる。

240 ÷ 4 = 60 → 1分あたり 60 m (分速60 m)

「速さ」という新しいものを習ったのではありません。1あたりを、時間でつくった だけです。
だから逆も同じ式で出ます。10分歩いたら 60 × 10 = 600 m。

1 60 2 120 3 180 4 240 1 分 60 m 分 m かたむき 60 m 1 分あたり = 速さ 歩いた時間と道のり
時間と道のりのグラフ。まっすぐな線のかたむきが、そのまま「1分あたり60m」。中2の一次関数でいう「変化の割合」は、この同じ数に別の名前をつけたものです。
例

例3 ── 理科の「密度」も、まったく同じ形

鉄のかたまり。体積 10 cm³、重さ 79 g。

1 cm³ あたりにそろえる。

79 ÷ 10 = 7.9 → 1 cm³ あたり 7.9 g (7.9 g/cm³)

これが 密度 です。新しい計算は1つも出てきていません。
g/cm³ の / は「1あたり」と読みます。単位そのものが、何でわったかを書いてくれている わけです。

3つとも同じ形だった、ということだけ持って次に進んでください。

03

たしかめ

Practice — answers stay closed until you open them

ここからは自分でやります。こたえは開くまで見えません。式を書いてから開いてください。

問題

そろえて、くらべる

16本で 480円 のペンがあります。1本あたり何円ですか。
こたえと考え方

480 ÷ 6 = 80

こたえ 1本あたり 80円

23分間に 180 m 歩きました。1分あたり何 m ですか。
こたえと考え方

180 ÷ 3 = 60

こたえ 1分あたり 60 m(分速 60 m)

3体積 6 cm³、重さ 45 g のかたまりがあります。1 cm³ あたり何 g ですか。
こたえと考え方

45 ÷ 6 = 7.5

こたえ 7.5 g/cm³

「1 cm³ あたり 7.5 g」と読みます。これを密度といいます。

4Aは 4本で 320円、Bは 6本で 456円。どちらが安いですか。
こたえと考え方

A 320 ÷ 4 = 80 → 1本 80円
B 456 ÷ 6 = 76 → 1本 76円

こたえ Bのほうが安い

ここでも、ふくろ全体では B のほうが高いことに注意。

5自動車が 2.5 時間で 150 km 走りました。時速何 km ですか。
こたえと考え方

150 ÷ 2.5 = 60

こたえ 時速 60 km

2.5 でわるのがいやなら、こう考えてもよい。0.5時間(30分)で 30 km なら 1時間で 60 km。同じ答えになります。

6ひろば A は 12 m² に 9人、ひろば B は 20 m² に 14人 います。どちらがこんでいますか。
こたえと考え方

1 m² あたりの人数でそろえる。

A 9 ÷ 12 = 0.75 人/m²
B 14 ÷ 20 = 0.7 人/m²

0.75 > 0.7 なので、こたえ A のほうがこんでいる

人数だけ見ると B のほうが多い(14人 > 9人)。それでもこんでいるのは A のほうです。

7問題6で、「人数が多いほうがこんでいる」と答えるのはなぜまちがいですか。ことばで 説明しなさい。

数を出す問題ではありません。文で答えます。

こたえと考え方

こたえの例:

「広さがちがうから、人数だけではくらべられない。同じ 1 m² に何人いるかにそろえてからくらべないと、こみぐあいは分からない。」

この説明ができることが、この単元でいちばん大事です。
計算はできるのに説明ができない、という状態は、全国学力調査でも入試でも点にならないところです。

8「速さ = 道のり ÷ 時間」なら、「時間 ÷ 道のり」でもいいのでしょうか。計算して、その数が何を表すか答えなさい。

240 m を 4分で歩いた例で試してみましょう。

こたえと考え方

4 ÷ 240 = 0.0166… ≒ 0.017

これはまちがいではありません。ただし表しているものがちがいます。
1 m 進むのにかかる時間(分/m) です。

どちらも「1あたり」です。ちがうのは、何を1にそろえたか。
・道のりを1にそろえた → 1 m あたり何分(ペース)
・時間を1にそろえた → 1分あたり何 m(速さ)

マラソンで使う「1 km 何分」は、じつは前者のほうです。どちらが正しいかではなく、どちらを1にしたか を言えることが大事です。

04

まぜる

The same maths, wearing another field's clothes

ここからは算数の服を脱がせます。中身は1つも変わりません。どれも 1あたり × いくつ分 = ぜんぶ です。

物理 physics

密度 ── 「重い」と「密度が大きい」はちがう

1 cm³ の立方体を3つ用意します。鉄、アルミニウム、木。大きさは同じです。

同じ大きさなのに重さがちがう。この「同じ大きさあたりの重さ」が 密度 です。

「鉄は木より重い」は、じつは正しくありません。木の丸太のほうが、鉄のくぎより重い からです。
正しくは「鉄は木より密度が大きい」。大きさをそろえてから言わないと、比べたことになりません。

鉄 iron 1 cm³ で 7.9 g アルミ aluminium 1 cm³ で 2.7 g 木 wood 1 cm³ で 0.7 g どれも 1 cm³。ちがうのは「1 cm³ あたり何 g か」だけ = 密度 同じ大きさ(1 cm³)の立方体を3つ
鉄・アルミニウム・木。どれも 1 cm³。ちがうのは 1 cm³ あたりの重さだけ。中1理科でこれを『公式の三角形』にすると、この図が頭から消えます。
物理 physics

体積のはかり方 ── 形がでこぼこでも測れる

密度を出すには体積が要ります。でも石やねじは、たてよこ高さでは測れません。

水に沈めて、上がった分 を読みます。押しのけた水の体積が、そのまま物の体積です。

50 cm³ の水に石を入れて 68 cm³ になったら、石は 18 cm³。この方法は中1の理科でそのまま出てきます。

水だけ 50 mL 石を入れた 68 mL 68 − 50 = 18 cm³ 石の体積
水位の差が体積。メスシリンダーの目盛りは下がった面(メニスカス)のいちばん低いところを、真横から読みます。
化学 chemistry

こさ ── さとうの量が同じでも、あまさはちがう

コップAは水100 g にさとう20 g。コップBは水200 g にさとう20 g。
さとうの量は同じ 20 g です。それでもBのほうがうすい。

水100 g あたり何 g とけているか でそろえます。

A 20 g(水100 g あたり 20 g)
B 20 ÷ 2 = 10 g(水100 g あたり 10 g)

これが 濃度 です。中1の理科では「質量パーセント濃度」という名前で、水ではなく水溶液全体でわる形になりますが、考え方はここと同じです。

A 水100 g + さとう20 g B 水200 g + さとう20 g さとうの量は同じ。ちがうのは「水100 g あたり何 g」= こさ
とけているものの量が同じでも、こさは同じではない。そろえるのは「水100 g あたり」。
地理 geography

人口密度 ── 人が多い町と、こんでいる町はちがう

A町は 4 km² に 12人。B町は 8 km² に 16人。

人の数だけ見れば B町のほうが多い(16人 > 12人)。でも 1 km² あたりでそろえると、

A町 12 ÷ 4 = 3 人/km²
B町 16 ÷ 8 = 2 人/km²

こんでいるのは A町 です。社会科の「人口密度」は、算数の「1あたり」と同じ計算に別の名前をつけたものです。

A町 4 km² ・ 12 人 3 人 / km² B町 8 km² ・ 16 人 2 人 / km² 1マスが 1 km²。中に立っている人を数えれば、それが「1 km² あたり」 人が多いのは B町。こんでいるのは A町。くらべたのは「1 km² あたり」
1マスが 1 km²。点が人。人数の多さと、こみぐあいは別のことがら。
暮らし everyday

電気代 ── 家の請求書は「1あたり」でできている

電気料金の紙には 31円/kWh のような数が書いてあります。これは「1 kWh あたり31円」という意味です。

エアコンが 1時間に 0.6 kWh 使うなら、1時間あたり 31 × 0.6 = 18.6円。
1日8時間で 18.6 × 8 = 148.8円。ひと月30日で 約 4,464円。

家の請求書を1枚持ってきて、実際の数でやってみてください。
インドネシアの Capaian Pembelajaran が Fase C・D で求めている 「literasi finansial(お金のリテラシー)」は、まさにこれです。

分野名前何を1にそろえたか単位
算数単価1こ・1本・1kg円/こ
算数速さ1分・1時間m/分・km/時
理科(物理)密度1 cm³g/cm³
理科(化学)濃度水100 g・水溶液100 g%
社会(地理)人口密度1 km²人/km²
暮らし電気の単価1 kWh円/kWh
数学(中2)変化の割合x が 1 増えるとき—
同じ計算に、分野ごとに別の名前がついているだけ。単位の / を「あたり」と読めば、名前を覚えなくても中身が読めます。
05

本番の型

Exam-shaped — same shape, our own numbers

ここは試験と同じ型の問題です。実際の試験問題そのものは載せていません。各問の上に原典のリンクがあるので、解いたあとに開いて並べてください。そうすると「同じ型だ」と自分で気づけます。

なぜ本物を載せていないのか

全国学力・学習状況調査は、問題・正答例・解説資料の無断転載と複製をはっきり禁止しています。県立入試も再配布に制限があります。PISA と AKM は公開ページに利用条件の表示を確認できませんでした。

このサイトは公開されているので、載せない側に倒しています。そのかわり、出典・年度・何を見ている問題かを書いて、原典に直接リンクしています。

結果的にこのほうが練習になります。先に自分の問題を解いてから本物を見るので、答えを先に読んでしまえないからです。

本番の型
全国学力・学習状況調査 小学校 算数 — 文部科学省・国立教育政策研究所が毎年4月に実施。小6全員。調査問題・正答例・解説資料が年度ごとに公開されています
原典:https://www.nier.go.jp/26chousa/26chousa.html※ 実際の問題文は載せていません。NIERは無断転載・複製を禁じています。上のリンクから原典を開いて、下の問題と並べて使ってください。

この問題が見ているもの:計算そのものではなく、どうやってくらべたかを言葉で説明できるか。小学校算数の「活用」の問題は、毎年ここを見ています。数値が合っていても説明がないと部分点にとどまります。

問2つの公園があります。

・ひかり公園 面積 1200 m²  子ども 48人
・みどり公園 面積 800 m²  子ども 36人

⑴ どちらの公園がこんでいますか。
⑵ どのようにしてくらべたか、式とことばで説明しなさい。
こたえと考え方

⑴

1 m² あたりの人数にそろえる。

ひかり公園 48 ÷ 1200 = 0.04 人/m²
みどり公園 36 ÷ 800 = 0.045 人/m²

0.045 > 0.04 なので、こたえ みどり公園のほうがこんでいる

⑵ 説明の例

「公園の広さも人数もちがうので、そのままではくらべられません。そこで 1 m² あたりの人数をもとめて、そろえてからくらべました。1 m² あたりの人数が多いほうがこんでいるので、みどり公園です。」

別のそろえ方でも正解です。 1人あたりの面積でそろえてもよい。

ひかり公園 1200 ÷ 48 = 25 m²/人
みどり公園 800 ÷ 36 = 22.2… m²/人

この場合は数が小さいほうがこんでいます。どちらを1にそろえたかによって、大小の読み方が逆になる ので、説明の中に「1 m² あたりの人数で」と書いておく必要があります。

本番の型
全国学力・学習状況調査 中学校 数学 — 同じ調査の中3版。小学校の内容がどう問い直されるかがそのまま見えます
原典:https://www.nier.go.jp/26chousa/26chousa.html※ 実際の問題文は載せていません。NIERは無断転載・複製を禁じています。年度別の一覧は文部科学省のサイトにあります。

この問題が見ているもの:小学校の「1あたり」が、中学で 変化の割合 という名前に変わるところ。傾きの公式から入った子は、⑶で必ず止まります。「表から読んだこの数は何の量か」を答えさせるのが、この型の狙いです。

問水そうに、一定の割合で水を入れます。

| 時間 x(分)| 0 | 2 | 4 | 6 |
| 深さ y(cm)| 3 | 11 | 19 | 27 |

⑴ 1分あたり何 cm 深くなりますか。
⑵ y を x の式で表しなさい。
⑶ ⑴で求めた数は何を表していますか。単位をつけて、ことばで答えなさい。
⑷ x = 0 のときの 3 cm は何を表していますか。
こたえと考え方

⑴ x が 2 増えると y は 11 − 3 = 8 増える。

8 ÷ 2 = 4 → 1分あたり 4 cm

⑵ 1分で 4 cm 増え、はじめに 3 cm 入っているので

y = 4x + 3

たしかめ:x = 4 のとき 4 × 4 + 3 = 19 ✓ x = 6 のとき 4 × 6 + 3 = 27 ✓

⑶ 「1分あたりに深くなる水の深さ(cm/分)」。

これが 変化の割合 です。小5でやった「1分あたり何 m」とまったく同じもので、名前だけが変わっています。

⑷ 水を入れはじめる前(x = 0)に、すでに入っていた水の深さ。

式の 3 は「はじめからあった分」なので、1あたりの量ではありません。ここを混ぜると式の意味が消えます。

本番の型
新潟県 公立高等学校入学者選抜 学力検査 — 毎年3月上旬。2人がいずれ受ける本番。問題と正答は県と新潟日報が公開します
原典:https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kotogakko/nyugakushasenbatsu.html※ 実際の問題文は載せていません。県教委の問題は再配布に制限があります。過去問は書店の県別過去問題集で。

この問題が見ているもの:中1理科の密度。県立入試では「測って、わって、表と照らして物質を当てる」形でよく出ます。公式を覚えているかではなく、体積をどうやって手に入れたか が問われています。

問金属のかたまり X があります。質量は 89.6 g でした。

メスシリンダーに水を 50.0 cm³ 入れ、X を静かに沈めたところ、水面は 60.0 cm³ を示しました。

⑴ X の体積は何 cm³ ですか。
⑵ X の密度を、小数第2位まで求めなさい。
⑶ 下の表から、X は何であると考えられますか。

 アルミニウム 2.70 / 鉄 7.87 / 銅 8.96 / 鉛 11.35 (g/cm³)
こたえと考え方

⑴ 60.0 − 50.0 = 10.0 cm³

沈めた物が押しのけた水の体積が、そのまま物の体積になります。

⑵ 89.6 ÷ 10.0 = 8.96 g/cm³

「1 cm³ あたり 8.96 g」と読みます。

⑶ 表と照らして 銅

ここで点を落とす人が多いところ:
⑴で「60.0 cm³」と答えてしまう答案がかなりあります。60.0 は水と金属を合わせた体積です。はかったのは差 であることを、図をかいて確かめてください。

また、密度は物質ごとに決まっている値なので、大きなかたまりでも小さなかけらでも同じ数になります。「大きいほうが密度が大きい」は誤りです。

本番の型
AKM / Asesmen Nasional(インドネシア) — Pusmendik による全国調査。numerasi(数的リテラシー)は文脈の中で考えさせる形式で、日本の学力調査の活用問題に近い
原典:https://pusmendik.kemdikbud.go.id/an/page/asesmen_kompetensi_minimum※ 実際の問題文は載せていません。公式ページに利用条件の記載が見当たらないためです。

この問題が見ているもの:インドネシアの numerasi の型。特徴が2つあります。いらない情報がまぜてある ことと、割合(%引き)と1あたりを続けて使わせる こと。計算は簡単でも、どの数を使うかを自分で決める必要があります。

問お店で米を売っています。

・A 5 kg で 62,500 ルピア
・B 3 kg で 39,000 ルピア
・C 10 kg で 121,000 ルピア(本日のみ 5% 引き)

なお、5 kg 以上買うと店から袋が1枚もらえます。

⑴ 1 kg あたりがいちばん安いのはどれですか。
⑵ その理由を式で示しなさい。
こたえと考え方

まず、いらない情報を外す。
「袋が1枚もらえる」は値段に関係しないので使いません。AKM も PISA も、こういう文を意図的に入れてきます。

C だけ先に割引を計算する。

121,000 × 0.95 = 114,950 ルピア

(5% 引き = 95% になる、と考えるのがいちばん速い。121,000 × 0.05 = 6,050 を引いても同じです。)

1 kg あたりにそろえる。

A 62,500 ÷ 5 = 12,500 ルピア/kg
B 39,000 ÷ 3 = 13,000 ルピア/kg
C 114,950 ÷ 10 = 11,495 ルピア/kg

こたえ C がいちばん安い

袋の値段だけ見ると C がいちばん高い(121,000 ルピア)。ここでも、いちばん高いふくろが、1あたりではいちばん安い という形になっています。

本番の型
PISA(OECD 生徒の学習到達度調査) — 15歳対象。公開問題があり、実世界の文脈で自分でモデルを立てさせる形式です
原典:https://pisa2022-questions.oecd.org/※ 実際の問題文は載せていません。CC BY-NC-SA 3.0 IGO と説明されることが多いものの、公開問題サイト自体に利用条件の表示を確認できなかったため、載せない側に倒しています。

この問題が見ているもの:PISA の数的リテラシー。問題文に「1あたりを求めなさい」とは書いてありません。自分でモデルを立てる ところまでが問題です。答えが割り切れないとき、切り上げるか切り捨てるかを場面から判断させるのも、この型の定番です。

問ある町で、朝の1時間に 1,200人 が駅に着きます。
町のバスは1台に 40人 乗れます。

⑴ 全員を運ぶには、のべ何台分の運行が必要ですか。
⑵ バス1台は、1時間に3往復できます。バスは何台用意すればよいですか。
⑶ 用意できたバスが 8台 しかないとき、1時間で運びきれない人は何人ですか。
こたえと考え方

⑴ 1,200 ÷ 40 = 30 → のべ 30台分の運行

⑵ 1台が3往復するので 30 ÷ 3 = 10 台

⑶ 8台 × 3往復 × 40人 = 960人 運べる

1,200 − 960 = 240人 が運びきれない

この問題のうまみ:
⑵で「30台」と答えてしまうのがいちばん多いまちがいです。「のべ運行回数」と「バスの台数」はちがう量です。1台あたり3回働く ので、必要な台数はその 1⁄3。

また、もし人数が 1,210人 だったら ⑴ は 30.25 になります。このときは 31台分 です。0.25台分の運行はできず、余った人を置いていくわけにもいかないので、切り上げ になります。「小数点以下を四捨五入」と機械的にやると 30 になってしまい、10人が乗れません。場面が計算の仕方を決める、というのが PISA の型です。

この節の使い方

1問ずつでかまいません。週に1問で十分です。

順番は、解く → 自分の答えを書く → こたえを開く → そのあとに原典のリンクを開いて、同じ型を探す。

原典の解説資料(全国学力調査のもの)には、どんなまちがいが何%あったか まで書いてあります。自分と同じところでつまずいた子が何%いたか分かるので、「自分だけができない」という気持ちにならずにすみます。そこだけでも読む価値があります。